青い釉のかかった高火度焼成のやきもののことをいう。この釉は、木灰釉から発達した釉薬といわれ、還元炎焼成することによって、陶土と釉中に含まれるわずかな鉄分の働きで、翡翠玉のように美しい発色が得られる。
この色は、厚く施された釉薬中の細かな気泡や、溶けづに残った結晶に光が通り、乱反射することによって生ずる。中国では殷の時代にこの灰釉をかけたやきものがつくられているが、焼成が還元していないため釉色は鈍い草色程度にしかならなかった。やがて窯の技術改良が進み草色から淡緑へと洗練され、のちに翠色の美しい青磁として完成された。